本日11月22日(金)に実施しました、元安陽一ヘッドコーチの辞任及び比留木謙司アソシエイトヘッドコーチ就任の記者会見にてお話しましたコメント内容をご紹介いたします。

元安陽一ヘッドコーチより

昨日のリリースに辞任に至る思いは込めましたが補足をお話します。私は現在山口県にある徳山大学で教員をしています。比留木GMからオファーをもらった当時はまだ地域リーグのチームでしたが、とても長い交渉の末、掛け持ちでも県外在住でもお願いしたいと、私の仕事も理解していただいてスタートをしました。

実際に、トライフープ岡山の仕事も始まってからは、基本的に月~水曜日は大学の授業、水曜日の夕方に岡山へ移動して練習、次の日の朝一で山口県に帰って再び授業、夕方には岡山へ迎い練習、金曜日の練習や遠征の移動、そして土日に試合をし、日曜日の夜には山口県に帰るスケジュールで生活をしてきました。
かなりハードなスケジュールでしたが、HCは大変やりがいのある仕事で、トライフープ岡山というチームが良くなっていくところを自分の目で見届けたいという思いもあり、これまで継続してきました。

何故このタイミングだったか。大学の仕事の都合により10月上旬から水曜日の練習に来れなくなることが増え、他のコーチングスタッフに任せることが多くなってきていました。チームとして良い状態ではないと思いながらもやむを得ずその状態を続けていました。
さらに前節の試合前日に、加えて木曜日も来れなくなってしまうことが確定した。12月以降の平日開催の試合があり、11月いっぱいが限界かと感じていた中で、2日間も練習日に来れなくなることは、プロチームのHCとしてやるべきことでないと思いました。
前節の朝に自分の中で辞任の決意をし、誰にも伝えずに試合へ臨んでいました。良い状態で引き継がなければ後に続いていかないと思い、この2試合は何がなんでも勝利すると全身全霊をかける思いで戦い、連勝することが出来ました。

2試合目が終わった後に比留木GMに話し、非常に良い形で連勝出来た後だったので非常に驚いていたが、私はHCの最後の務めとして勝って引き継ぐことが理想だと思いました。ここで辞めることを無責任と思う方もいらっしゃるでしょうし、批判の声もあると思います。元を辿れば掛け持ちで始めたことに原因があったと思うけれど、始めたことを後戻りは出来ません。これから後に続いていくトライフープ岡山がベストなチームになっていくために、ここで身を引くべきだと決断しました。

辞める決断をした後、比留木GMとのやり取りで、「いつも正直で、誠実で、ありがとうございます。」と言葉をもらいました。
バスケットボールへ真摯に、誠実に取り組むことを心掛けてきて、それがファンや地域の方々の心に響くという信じてきました。
直接、選手たちにその言葉をかけたことはないですが、彼らもそれを体現してくれていて、チームの文化となる土台を作ることは出来たと思っています。

オファーを受けたのは比留木GMからのオファーだったからです。一緒のチームになったことはないが、別のプログラムで毎年オフには会う機会があり、短い時間でしたが一緒にバスケットボールに取り組み、様々な会話をし、彼の闘志あふれるスタイル見ていく中で、彼と一緒に仕事をしてみたいと思い、HCの仕事を引き受けました。

私にはない選手としての豊富な経験があるからこそ、彼は私が気が付かない部分にも気付けることがありました。今後、実質的に彼が指揮を執り、これまで私が積み上げてきた土台に彼の豊富な経験からのバスケットボールが加わることは、きっと高い相乗効果が生まれていくと思います。1ファンとして、とても楽しみにしています。
急な出来事でやりづらいことも苦労もあると思うけれど、それを乗り越える力も彼は持っていると思います。チームを更にひとつにして、B3優勝・B2昇格の目標達成へと向かっていってほしいです。

この1年半とても楽しかったです。つらいことも苦しいこともありましたが、自分自身、非常に成長出来ました。
依頼を引き受けるときにアシスタントコーチとして塚田を呼んでもらい、彼と二人三脚でやってきた時間もとても充実したものでした。ともに体調不良にもなりましたが、全身全霊で向き合ってきました。それだけの価値があるクラブだと思っています。
志半ばではありますが、開幕前のTIPOFFパーティーで次に会うときは優勝パーティーだと話したことは今もそう信じているし、そのときは初代HCとしてぜひ祝福しに来たいです。

岡山は本当に素晴らしい土地です。更なる盛り上がりを見せていくこと願っています。

比留木謙司アソシエイトヘッドコーチより

誰も予想していなかった状況ではあります。僕自身プレーしたい思いも強く、来年戻ってこれるなら戻ってきたいと思っている。ただ、もう年齢も若くなく、果たして1年間バスケットボールをしない身体で、(プロ選手として通常でさえ)フィジカル的にもメンタル的にも万全な準備を持ってくることは容易なことではないのに、次のシーズン始まりでそれが出来るかどうか不安はあります。なので100%戻るとは言い切れないが、僕自身これで引退だとは思っていません。またプレーをしたい、戻ってきたい気持ちではあります。

ただ根底にあるのは、クラブが成長していくこと、盛り上がっていくことです。トライフープ岡山はB3で収まるクラブではないし、現在集客は平均1000を切ったところでクラブとしてまだまだポテンシャルがあります。もっともっと飛躍していくと思っています。その中で僕が今一番クラブに対して力になれることは何かと考えた結果、プレーすることではなくAHCをすることを決めました。

当初、元安さんにフルタイムのオファーも出してはいましたが、ダブルワークでHCを引き受けることはもちろん了承していました。
これが例えば、大学の仕事を辞めても生活が成り立つような万全の体制やオファーであれば、クラブがもっと盤石な状態であれば。今回の件でどこに責任があったのかと考えればその点だったと思います。
我々の体制の未熟さで、トライフープ岡山に期待している方々に残念な気持ちや不安を感じさせてしまったと思うけれど、クラブがこれからどう成長していくか、その姿を見せていくことがこれからも応援してもらえるチームになっていくことに繋がると考えています。

チームがやること、目指すところは変わらず、そのアプローチが変わるだけと思っています。
選手は試合が勝負で、その瞬間にどれだけ良いパフォーマンスを出せるか考えていきますが、HCの仕事は試合前に8~9割は終わっているものだと思っています。試合までに選手たちへどれだけHCの考えを浸透させられるかで勝負はついていると思います。決してHCは試合に出ませんし、練習で出来なかったことは試合でも出来ません。
今まで試合日にフォーカスして準備していたものを、今度は平日の準備段階でどれだけ出来るかの違いだと思っています。
チームでやりたいことを共通認識・理解を持たせること。根底としてはクラブが成長していくため、勝つため。そのスタンスは選手でもスタッフでもどちらの立場でも変わらないです。

元安さんが取り組んできたバスケットから大きく変わることはないが、もっと選手に危機感を持って取り組んでもらいたいと思っています。
B3のクラブで20~30点取ろうが、2位・3位になろうが誰にも注目してもらえないのが現実で、勝っていかないと選手たちのキャリアも続いていかない。そこをもう一度、彼らと考えていきたいです。心の底から彼らのプロキャリアが続いていってほしいと思っていますし、この経験が彼らの人生に刻まれていくものになってほしいです。
勝つために自分のエゴ捨てなくてはいけないときもあります。個人のパフォーマンスだけでなく、チームとしての勝利を優先できるチームにしていきたいです。

記者会見 詳細

■開催日時
2019年11月22日(金) 12:30~

■登壇者
・中島 聡 代表取締役
・元安 陽一 ヘッドコーチ
・比留木 謙司 アソシエイトヘッドコーチ (ゼネラルマネージャー兼任)